2月25日号
業容では全国第三位。前期末での業純は全国トップ。
一流経済誌による昨年の経営指標では全国上位信金中、
総合得点ではトップの折り紙をつけられているのが、
尼崎信用金庫である。
◇過日、その尼信の橋本新理事長に時局対談をした。
「阪神タイガース預金」発売。
優勝すれば三倍の金利ーなどと、
地元阪神はもとより、
全国の野球ファンに、タイミングよくアピール。
預金も爆発的人気で売れたという。
そのアイデアマンが橋本新理事長だと聞き及んだからである。
◇橋本理事長は謙虚そのもの。
「阪神預金だって一、二月が勝負どころ。
三、四月でペナントレースが始まれば、どうなりますか?
また当金庫の業純日本一だって、いつどうなるかわかりませんよ。
トップからすべり落ちるのは簡単だが、
下位から登りつめるのは大変な苦労ですからね…」と…。
◇どこぞの“超大手金庫?”の会長とは大分、見識・人格体が違うようだが、
今後の尼信経営の方向にしても
「当金庫の伝統と格式を重んじ諸先輩の遺訓を守り、
信金経営の原点である地域金融の“町医者”に徹したい」と明快である。
◇同金庫の創業者の一人で戦後尼信の初代理事長でもあった故・
松尾高一翁は、昭和二十六年全信連創立当時の代表理事でもあり、
業界草創期の大功労者でもあるが、
その“松尾精神”を忠実に履行して、
今日の大尼信発展の“礎”を築いてきたのが、
現・氏平競重会長といわれる。
◇信金業界はいま金融システム激変のさ中にあって、
比較的安泰な金融業態といわれている。しかし、その大きな原動力となったのは、
戦後草創期に活躍した諸先輩経営者の功績によるところが大きい。
◇久々に“日本男児の美徳”を感じた対談でもあった。