2003/6/15号
無税償却のため、サービサー活用増える
−「地域」と「経営」で苦悩する信金
 不況による融資先の業況悪化と資産デフレにより、金融機関は引当金を積んでも積んでも償却が終わらない−という賽の河原¥態に陥っている。(間接償却)
 そうした中、信用金庫でも、不良債権のオフバランス化と無税償却ができるサービサー会社(債権回収会社)への不良債権売却が広がってきている。(直接償却)
 信金中金も二割の資本参加をしているあおぞら債権回収鰍ノよると、同社と守秘義務契約を結んだ金庫数(同社利用のための前契約。口座開設のようなもの)は、平成十二年度百十金庫、十三年度百七十二金庫、十四年度二百二十五金庫と年々増加し、現在(今年五月末)は全国信金中七割の二百二十七金庫に広がっている。実際の利用金庫数も、平成十二年度には四十四金庫だったが、十三年度六十三金庫、十四年度九十金庫(単年度)となった。これまでに同社の利用をしたことがある金庫数は、今年五月末で百二十五金庫に上り、全国信金の四割に迫る。中には、十回もサービサーを利用した−という信金もあると言う。
 早くから日本での民間サービサー導入を提唱し、全銀協会長や国会議員をプッシュして平成十年十月のサービサー法=i債権管理回収業に関する特別措置法)設立に導いた、サービサーの生みの親≠ナ、現在、あおぞら債権回収鰍フ取締役を務めている熊谷寿人氏と、信金中金から出向し、同社取締役で信用金庫営業推進室長の早川守久氏に、現在のサービサーを取り巻く現状を伺った。
 そこから浮かび上がってきたのは、「地域金融機関」の役割遂行と「不良債権早期償却」の板ばさみにギリギリまで悩む信金ら地域金融機関の姿であった。

○サービサー利用が増えている理由
○大銀行はドライに破綻懸念先もバルクセールへ
○地域金融機関にとっては苦渋の選択
○信金は強引な回収望まず
○「企業再生」には最終的に「債権放棄」しかない
○サービサーの市場と需要、先行きは


「流動化」が急増へ
−不良債権処理の現状


揺れる無税償却論議
−税の公平性からいっていかがなものか−税調


「無税償却を増やして」
○なぜ金融機関は「償却は有税が多い」と言うのか
○「倒産企業の社長はいっそ行方不明になって」−金融機関の本音
○不良債権処理が有税のケース、無税のケース


「公的資金は、絶対入れない!」
−信金中金・宮本理事長語る



使うに使えぬ「金融機関再編特措法」
−手続き煩雑で信金、信組の利用ゼロ
 金融機関の合併・再編を促進させるため今年一月に施行された「金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法」(通称・合併促進法または金融機関再編特措法)−。
 これにより、金融機関の合併の際、国が資本支援をしたり、信金中金が信金に出した資本支援(劣後ローン→信託受益証券化)を、預保に引き受けてもらったりできるようになった。
 ところが、信金・信組業界では、今までに同制度の実績はゼロ=B「抜けない伝家の宝刀=vになってしまっている。  


信金年金、加入者100%同意にメド
 全国信用金庫厚生年金基金(理事長・溝口 肇大阪信金理事長)では、三割の給付削減に踏み込む制度改革案について、さる二月に受給者・受給待機者から必要数(三分の二以上)の同意を得たが、このほど加入事業所すべてから同意が得られるメドがついた。

将来は合併の方向で
−川口・青木両金庫、川口市役所で延期会見
 

「産を興す」原点に
−石原理事長、興産信友会で





新聞購読のご案内新聞購読のご案内 読みもの 出版のご案内出版のご案内